1人でぽつんと座っていると、
「ねぇねぇ、あなたは誰?」
と、可愛らしい声がした。
振り返ってみると、陰から小さな女の子がカノンを見ていた。
「菫様、邪魔してはいけせんよ!」
女の人が戻ってきた。
「お待たせしました。最高級の紅茶です。どうぞ召し上がってください。」
カノンは
「ありがとうございます。」
とお礼を言った。
やはり、紅茶も高級なものだった。
すると女の人は話し始めた。
「改めて、ようこそ。ここは塚本家です。私はここの家政婦をしている本多芽依と申します。
そしてあなたは今日からこの家のメイドになります。とくに、裕也様のお世話をしていただきます。結構頑固な方なので、覚悟してくださいね。
そうそう、まだあなたの名前を聞いていませんでしたね。」
と聞かれたので、
「私の名前は花沢カノンです。精一杯頑張ります!メイドですから、何でも言ってください。」
と言った。すると、
「じゃあさっそく、裕也様に挨拶をしてきてください。それと、祐也様の命令は絶対です。また、分からないことがあったらいつでも聞いてくださいね。」
と芽依は言った。
カノンは
『よし!初めての仕事だ。頑張ろう。』
と思った。