ドアの前まで来てカノンは急に不安になった。
本当に今からメイドをやるのか。
やっぱりやめた方がいいのか。
と、悩んでいるうちにドアが開いた。
「この度は、この家のメイドをやって下さってありがとうございます。詳しい話は中でしましょう。」
と言われたので、帰るのは失礼かとカノンは中に入った。やっぱり、家の中も広かった。カノンの家の20倍、いや40倍はあるだろう。見たことのない家具やいかにも高級な絵画が飾れてあった。
「どうぞ、お座りになって下さい。今、紅茶をお持ちしますね。」
と言って、女の人は調理場へ向かった。