ー1年前。

あたし相田 愛菜(アイタ マナ)は色々あって看護師を辞め、某カラオケ店でバイトを始めた。そのカラオケ店は制服が可愛いので有名だった。
28歳という、可愛い制服を着るのには微妙な歳
ではあったけど、もともと若く見られる方だったし、そこまで違和感なく着れた。

「よろしくお願いします。」

あたしが働くのはA帯で、A帯のバイト仲間は25歳の女の子(フリーター)と、23歳の大学生(大学生)。昔から友達を作るのは得意な方で、すぐに仲良くなれた。

「相田ちゃん、きいた?店長移動するらしいよ。」
「そうなんだ?誰か代わりにくるんでしょ?」
「多分ねー。でも誰かは聞いてない。」

店長は別に悪い人ではないけど、入ったばかりであまりが関わりなかったし、へーそーなんだーとしか思わなかった。

その頃店長以外に、お店の看板的な女の子が辞めることが決まっていたため、歓送迎会が行われることになった。場所は、お店近くのしゃぶしゃぶ屋。出勤者以外の人が集まることになった。

バイト先では、A帯の他にB帯、C帯があって、B帯は高校が多く、C帯は大学生が多かった。
同じ時間帯以外の人との交流はあまりなく、新人にして最年長のあたしは、歳の離れた子達と何時間も一緒にいなくちゃいけないなんて、少し憂鬱だった。
子どもを口実に早く帰ってしまおうと思ったあたしは、長男の春樹(4歳)と次男の竜人(2歳)も連れて行くことにした。


「カンパーイ!!」

もともとお酒は大好きだったが、子どももいるし運転しなきゃだしということで、その日はソフトドリンクで乾杯した。バイト仲間の平均年齢が低すぎて、なんだか自分がすごく年寄りになった気分、、、。