「社長室はここだから、ノックして入ってね、私は先に説明にあがるから」
そう言うと彼は先に入っていってしまった。
「蓮、これヤバイよ!絶対男だって勘違いされてるよ」
「そうだね~。別に大丈夫でしょ。絶対すぐにバレて帰れるから」
「蓮は能天気過ぎだよ。これは一大事なんだから」
「蓮くんたち、入って。中に人いるけど気にしないで大丈夫だから」
「「あ、はい・・・」」
中に入ると同い年位の男子が4人いた。
全員きれいな顔をしている。
「えっと、佐伯くんにスカウトされてきた相宮蓮くんだね?そしてもう一人の君は?」
「山岸楓です」
流れに乗って思わず答えてしまった。
「じゃあ、蓮くんと楓くんはここに入るつもりはある?」
「はい!」
そう答えたのは蓮だった。
私は入所するつもりなんて微塵もないのに蓮はもう覚悟を決めている。
「楓くんは?」
「あ、はい」
こうなってしまったら仕方がない。