I line xx

「この曲聴いた時、皆とても気に入ってくれたんです


バンドのメンバーだけじゃなくて


スタッフも皆です


ハルがあんな風に曲への思い入れを語るの


初めてで


デモ聴いたらまたとても良かった


それで皆でアレンジして


それがまた楽しくて


このバンドで作った初めての曲なんです


皆にとってとても大切な曲になりました。


勿論、俺にとってもです。」


そう言って彼は私を見てにやりと笑った


「あとでハルにあなたと話せたと


報告しておきます。多分悔しがるだろうな。


何か彼に伝えることはありますか」



「ありがとうございます。


今夜はこれで帰ります


ラインで連絡すると伝えてください。」


彼は大きく頷いた


「ぜひお願いします。幸せ者には


少し我慢させます。」


そう言って笑った


「いつか東京でハルと一緒に皆で遊びましょう。


みんなきっと喜びますよ。」


会場を後にしようとすると


入り口の所まで


送ってくれた


そこで挨拶をして


会場を後にした



外は真っ暗で


クリスマスが近いこともあり


楽しそうな飲み会の帰りの人達が


歩道を行き交っていた


波に乗りながら


地下鉄へと向かい


ホームで電車を待つ


その間にスマホを開いて


ハルへとメッセージを送った


「このまま帰ります


部屋で待ってます。」



それだけ送信した


あの日書けなかった言葉


今夜はためらいもなく


入力できたのだった