I line xx

そう思いながら


楽屋で開演時間を待っていると


愛果からラインのメッセージが


送られてきた


このお店は入店の時に席を決める


舞台に向かって右がわの


真ん中後方


壁の近くにいます。そう書いてあった


開演時間が近づいて


人の出入りが慌ただしくなった


その慌ただしさが緊張させる


自分でも気がつかなかったが


足のつま先が何故か一定のリズムを刻んでいた


それを見たピアノマンが


俺の横に来て、俺の背中に手をまわした


「なに、彼女が見てるんだろ大丈夫


俺達も一緒だ。」


そう言ってくれた



その通りだった


独りで演奏している時と一番違うのは


そう、一緒に舞台に立つ仲間がいることだった


今夜、君に彼等を見せることができるのが


俺は何より嬉しい


まるで家族を君に紹介するみたいだった


きっと君は彼等と仲良くできる


そして俺は君を幸せにする


彼等がいれば大丈夫


そう思っているんだよ


俺は彼の胸に拳を軽く押し当て


ありがとうの合図をおくる


ピアノマンがにっこり笑って


もう一度音合わせをしようと


誘ってくれた


おれは彼の隣りで軽く音を鳴らし始めた


皆もそれに付き合ってくれた