I line xx

その日も朝から


目の回る様な忙しさだった


朝食は愛果とのラインをしながら


簡単に済ませ


迎えに来たマネージャーと一緒に


車で駅まで移動すると


名古屋行きの新幹線に飛び乗った


それでも久しぶりの名古屋が嬉しくて


何だか全ての事が許せそうな気がした


そんな感じだったから


新幹線の中でマネージャーと打ち合わせをしていても


自分でも心ここにあらずといった感じなのがとても良く判る


そんな俺に気にも留めず


何時もの様に


今日のスケジュールを読み上げていた彼は


何の反応もない俺に



半日ほどスケジュールを読み上げてから


ようやく気がつき


「今日は名古屋ですね。」



と話かけてきた



嬉しくてついつい


野郎相手なのににやけてしまう自分がいて



そんな自分を見て彼もにやけるから


ついつい


照れ隠しに怒ってみせた


察しの良い優秀なマネージャーは


そこまで判っていて


ハイハイと言いパットで仕事を始めた


俺も今夜のライブの台本に軽く目を


通した


愛果は今頃仕事だ


取り残された様な気持ちになりそうに


なる自分に負けたくない


彼女を守っていられる男でいたい


そう思う


本当は彼女を独り占めしたい


ライブの後、一人で返る部屋


そこに彼女が待っていてくれたら


ラインのやり取りは楽しいが


時々もどかしい


彼女が近くにいたら


あの日もあんなにすれ違わなかった


はずだ


そして風邪でダウンしたあの夜


傍にいて欲しいのは


愛果君以外にいなかったよ