白い狐は出会いの季節



「暴力団」「不良」「潰した」?私が。


身に覚えもない事や、慣れない言葉がたくさん飛び交った。

今は脳内でぐるぐる回ってる。



一つ一つ整理しようとは思うけど、今日はもう疲れ過ぎて何もする気が起きなかった。


「……っ、」




ふら、と体が前に揺れた。

私は自分の体力と気力の限界を悟った。



「!」おじさんが私が疲れているのに気づいたらしい。



「光、今日はもう帰そう。疲れているみたいだ。明日でもいいだろ。曇天も元の状態に戻るまで時間はかかるはずだ。」




「えー?……はーい。ごめんね、花楓ちゃん。僕ちょっと興奮しすぎたみたい」



いえ、なんかもう、今更感っていうか。



声に出そうとは思ったが、頭の中だけで留まったらしい。



でも、やっと帰れる。姉さんのいる家に。



……ん?