白い狐は出会いの季節





……とりあえず。




ここにいるのはやばい。そろそろ帰らないと。



時計を確認するとかなり時間が経っていた。


……いつもなら寝ている時間なのに。



「あ、あの。私そろそろ帰らないと、明日も学校あるので、あと、姉さんが多分心配します」



「?姉がいるのか?」



急におじさんが口を開く。


ビックリすると同時に身体が固まる。


「え、えっと実の姉じゃないです!おばさんです。母の妹で…」


「母、名前は?」


「!?えっと、あ、れ?」



質問攻めにされて戸惑うのもあるし、記憶をいくら掘り返しても何も出てこない。



頭が真っ白になって、何も言葉が出なくなる。