[光side]




「着いたよ。」


「......。」


「そんなに不安がらないでよ、そんなんだと、潜入してもすぐ殺られちゃうよ?」


「...大丈夫...です。」


真唯は移動中もずっと無言だったからねぇ。



「...そんなに心配なら早く助けてあげた方がいいんじゃない?僕も一緒に着いてってあげるからさ、ほら心強いでしょ?」


「は?」


「あはは、心強いのはともかく早く助けてあげないと。」


どうやら軽い冗談が聞いたみたいだね。


ようやく顔を上げたよ。



「じゃあ、さっさと入って____」








「うああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」








僕の声を引き裂いて、誰かの叫び声が響いた。



「!?」


「今のって...男の声だったね?」



どうやら目の前の倉庫からするらしい。



でもなんで、男の声だったんだろうね?







花楓ちゃんは女の子なのにね?





自然と口の端が上がる。




どくん、どくん、鼓動の音に合わせて体の底から久々に好奇心が溢れてくる。





あぁ、この倉庫の扉を開けたら何があるんだろうね?




きっと、桜井花楓が何者なのか、すぐに分かるよ。






ギイィイ...!!


軋みながら倉庫のドアが開いた。







重々しく、まるでそれは、地獄への扉のようだった。