白い狐は出会いの季節

[光side]



「あ、あ、桜井さん......!」



その画像に真唯は言葉を失った。


花楓ちゃんが鉄の鎖で縛られて、吊るされている写真だ。




まだ、目を覚ましてはいないようだが、顔が青い。


相当疲れが溜まってるんだろう。




『しばらくそいつで遊んでろ』


『俺こんなブスとやるの嫌ですよ』


『サンドバッグぐらいにはなるだろ』



どんどんトーク画面が吹き出しで埋まっていく。



あーあ、花楓ちゃん大ピンチだね。



「真唯、花楓ちゃんに連絡とれる?」


「桜井さんガラケーだったので電話番号なら。」



真唯が急いで番号を打ち込んでいく。



そして耳にあてた。



「真唯、それを麗に渡せ。麗は逆探知。」


「...わかりました。」


「了解。」


「真唯が電話に出ろ。出来るだけ長く話を続けろ。」


総長の冷静な指示に少し真唯も落ち着いたみたいだ。


だけど、まだ不安な表情をしている。


真唯がこんなにも心配するほど仲良くなるなんて。



全く花楓ちゃんって何者なの。