白い狐は出会いの季節

[花楓side]


「ううわああああああ!!!!!」



とりあえず真唯に何かを言っていた大柄な男子を押し倒そうとした。


地元の相撲大会ではいつも初戦で負けていたが、幸い相手は真唯ばかりに注目していた。


不意をつかれれば喧嘩が得意そうな男子でもかなわないだろう、と思ったのだが、




「うぇっ?おい!ちょっ!!!!!てめえ!!!!!!!」



やはり真唯の言った通りこの学校には強者ばかりが溜まっているのだろう。



私の全力で倒れないなら、


全力を超えるまでっ!!!




「倒れろっ!!!!!」


思いっきり叫んで全体重を男子にのせる。



声を出せば力が出るって言うのは本当らしい。


男子はぐらり、と前のめりに倒れた。