白い狐は出会いの季節








待っていても衝撃は来なかった。


閉じていたまぶたを上げる。



そこには動きの止めた男子生徒。




「......。...えっ...?」


腰には手が回っていた。


細い。きっと女子の手だ。




「ううわああああああ!!!!!」



何かがこもった声が男子生徒の後ろか聞こえる。




「うぇっ?おい!ちょっ!!!!!てめえ!!!!!!!」




「倒れろっ!!!!!」



男子生徒が前のめりに倒れる。



倒れたことで後ろに隠れていた姿が見えた。



「さ、桜井さん...!!」



そこには制服をうでまくりにして、若干涙目の桜井さんがいた。