「まず、俺ら曇天はあるマフィアと手を結んでいたんだ。」
と荒井は話を切り出した。
「は?マフィアっ!?」
マフィア、という言葉は教室の空気を変えるには充分過ぎる言葉らしい。
また、ざわついてきた。
「最近は県外からもいろんな族が攻めてきてる。曇天は事実上この地域のNo.1だ。だから、この地域、街だけは守らなきゃなんねぇ。だが、段々曇天の強さは衰えてきた。拳で喧嘩なんかやったことねぇ奴ばっか増えてきやがって、
だから、武器を調達するために、あるマフィアと手を結んだ。」
「条件はこうだった。
ヤクザのような毎月の上納金、売るための女、
ヤクを売れって時もあったよ。
曇天はどんどん黒に染まってった。」
「昨日の話だ。
俺らは桜井の言う通りこいつを拉致した。
可愛げも色気もねぇからこいつは本当はマフィアに送る人体実験のモルモットにでもなる予定だった。
でもこいつには散々かっこ悪いところを見せてたからな、少しの間サンドバッグ代わりにしてたぜ。」
「っ、そんなこと、許されるわけないじゃないですか!」
真唯が怒りで叫んだ。
私はどこか他人事のように聞いていた。
「許されない?
あぁ、そうだったのかもしれねぇな。
『何か』が爆発したんだ。
気づいたら俺ら全員倒れてた。
俺みたいな雑魚は指1本動かせなかったし、幹部並みの実力を持つやつは抵抗するほど『何か』に倒されていった。」
