俺らはもう一度抱きしめた。

お互いが存在するのを確かめるように…。

「なんで、ここに。」

「凌牙さんがゆづといた方が幸せになるからゆづのところ行ってって…。」

凌牙さんがもう一度ここに来てくれって言ったのはそういう事だったのか…。

「でも、お前の父さんは…。」

「凌牙さんが説得してくれて結婚を破棄してもこれからも提携してくれって…。」

そうだったんだ…。

凌牙さんにお礼言わないとな…。

「凌牙さんが日本行きのチケット取ってくれて日本に帰れって。」

「そっか、そっか…。」

俺は涙が溢れてきた。

これが現実だと思えなかったからかな。

「ゆづ…?」

「ありがとう…。俺のところに戻ってきてくれて…。」

「こちらこそ。待っててくれてありがとう…。」