しばらくすると乃莉に近づく1人の爽やかな男の人。

もしかして、婚約者か?

乃莉らしき人が車に入るように促す。

車の方に向く乃莉らしき人。

振り向いたと同時に目が合う俺たち。

乃莉だ。

髪が長くなって少し大人っぽく見えるけど乃莉だ…。

乃莉も俺たちを見て固まる。

「乃莉ー!!!」

蒼乃さんがもう1度大きな声で呼ぶ。

今は信号が赤だから車は止まってるから聞こえてるはず…。

乃莉は蒼乃さんが呼ぶと横断歩道を渡って走ってこっちに来る。

俺も、乃莉の所に走っていく。

乃莉が横断歩道を渡り終わった後丁度俺も横断歩道のところに着いた。

「乃莉…。」

「ゆづ…?夢じゃ…ないよね?」

涙を流しながら聞く乃莉。

「夢じゃないよ。久しぶり、乃莉。」

「ゆづ!!!」

大きな声で俺の名前呼んで抱きつく乃莉。

強く抱きしめる乃莉に答えるように俺も強く抱きしめる。

「なんで、なんでいるのぉ?」

「ニューヨークでライブがあったから、来たんだよ…。」

「スタッズのピアスまだ付けてくれてたんだ。」

「そんな事言ったらお前だって付けてんじゃん。俺があげたネックレス。」

乃莉の首元には俺があげたネックレスが輝いていた。

「だって、捨てられるわけないじゃん。」