「で、何の用で来たの?」

「あー…一応これを渡しに来たんだよ。」

そう言って、渡されたのは招待状。

「誰か結婚でもすんの?」

「…うん。あいつがな。」

「あいつって誰?」

ゆづが不思議そうに聞く。

「あいつってのはね〜、俺らの父親だよ。再婚するんだって、20歳も年下の女。多分財産目当てなんだろうけど。今そいつが俺らの家に住んでるんだけど、あいつが見てないと俺らの事は邪魔扱い。母さんみたいに料理とかしないで全部メイドに任せっきり。」

「私、いかないよ。何のためにモデルになったと思ってるの…。」

「お前が、モデルになった理由は俺らも知ってる。だけど、最近お前が出てたドラマが人気でお前の人気も出てる。あいつは、自分の会社のイメージモデルとしてお前を使う気だぞ。」

「私、絶対にあいつに会わないから!!」

「おい、乃莉!!」

私はゆづが呼んでいるのを無視して部屋に戻った。