私は急いでエントランスに行った。

エントランスは何故か人でいっぱいだった。

まさか…。

おにぃ、ナンパしてんじゃ…。

「あ、乃莉いたぁ。よかった、見つかって…。ちょっと、頼人どうにかしてくんない?あんの野郎ナンパしやがって…。」

「おねぇ。一旦落ち着いて。怖いから。」

「あれ?乃莉見つかったの?よかったぁ。ねね、ここの女の子可愛い子いっぱいだね!!」

「あんた、まさかここの子付き合うって言わないでしょうね?あんた、彼女いるのに。」

「あんなの、彼女って言わないよ。許嫁だもん。俺、きっちりとした女の子タイプじゃないもん。」

「乃莉、もしかして目の前にいる人って…。」

ゆづが驚いた顔しながら、言う。

「うん。私の兄と姉です。」