ただ、君を守りたかった。

「いやぁ...昨日帰り道で派手に転んじゃって...そこですごい膝を擦りむいちゃってさ。周りもはれちゃって。湿布してたんだけどはがれるといけないから、一応包帯で固定。」
そこまで言い、彼女はやっぱり違和感のある笑みで笑った。

少しの間沈黙があって、彼女が何か言いたげに僕を見ていることに気付いた。
「なに?」
僕が質問をすると、彼女は申し訳なさそうに
「聞きにくいんだけど...その...なんで仲間はずれにされてるの?」
と問うてきた。
聞きにくいとは言ったものの、一応聞くだけ聞いておくらしい。
しかも結構単刀直入に聞いてきた。
僕は別に理由を隠す必要もないと思い、あった事をそのまま彼女に話した。

すると彼女は少し寂しそうな顔で、そっか、とだけ呟いた。
僕はここでアタマに浮かんだ疑問を1つ、聞いてみることにした。
「ねぇ、どうして話しかけてくれてんの?」
特に深い意味はなく、単純にそう言った。
お互いにクラスの中心グループにはいたものの、僕と彼女の共通点は、それくらいだ。
喋ったことなど、数える程しか無かった。
「別に...理由はないけど、教室に入ったらいたのに、無視するのも変じゃん。二人しかいないのにさ。」
僕の問に彼女はあの笑顔で答えた。
今度は彼女の頭にぶら下がる、綺麗に結ばれたポニーテールが揺れた。