『いいわ。あなたがそんなかんがえなら、あなたの会社の人事部長さんに、言ってあげるから。お宅では、こんな不届きの男を社員にしているのですかってね』

『くるみ、それは……』

さすがに、この言葉はこたえたらしく信二は絶句して、しばらくくるみの表情をうかがっていた。そのとき、すでに彼女は考えてもいないことを口に出した自己嫌悪に、身を苛んでいたのだが……