恋 × 練習

「私は、多分木下君に好かれてるんだと思う。」



「…うん。」



イスに座ると、私は私の事を話した



「だけど私は、温ちゃんの事が好きなんだ。」



「うん。」



秋は驚きもしなかった。ただ、うんうん。と言っているだけ。
その方が、私としても話しやすいし、有難いけど。



「友達とかじゃなくて、恋愛感情を抱いてるって事。」



「うん。」



「だから、自分で区切りを付けてたの。…私が名前で呼ぶのは秋と温ちゃんだけって。」



「何の区切りかは分からないけど、そう決めてた。」



「…うん。」



「…私ね、温ちゃんが木下君と恋人になったって聞いて嬉しかったんだ。でも、複雑さもあったの。」



「木下君に温ちゃんが取られちゃいそうな気がした。」



「うん。」



「取られる なんて言葉、使える立場じゃないんだけど」



「でも、」



「好きで好きで、仕方無かった。無理な事、分かってた。」



気が付いたら、涙が溢れて止まらなかった



「だからもう、自分は思い続けてるだけでいいかなって思ったんだ。」



「私が思う 好き はそんなもんだよ。」



私は急いで話を終わらせるとティッシュを取って、涙を拭いた。