恋 × 練習

「一月?その荷物、どうした?」



「その声、秋くん…?…あ!秋くんだ!
先生に、ノートとか色々持っていくように言われて。」



振り返ったその人は、にこりと微笑んだ。



「俺が持つよ!あぶないからな。」



「で、でも…」



「いいから!な?」



いつだってその人は大人しくて。



「良かった…怪我は無いんだね…!」
優しくて。



「大丈夫だよ。私が頼まれた仕事だから。」
頑張り屋さんで



いつの間にか、心を惹かれてた。



そして、俺もそんな風に成りたいと思って、憧れて。



気が付けば、誰かが困ってたら自分から動くようになってた。



それが俺が知ってる「一月雨季」なのに。



覚悟を決めて告白したら俺の知らない「一月雨季」があった。