そんな……
尚哉くんは何も悪くないのに。
悪いのは素直になれない私だ。
「謝るのは私の方だよ……っ。
さっきはゴメンね。
尚哉くんに“あーん”されてほんとは嬉しかった。
でも他の人が見てる前だったし恥ずかしくて……
だから、今度2人っきりのときに
リベンジさせて……?」
私は思ってることを素直に伝えた。
尚哉くんの顔をジッと見て。
目を見てこんなこと言うのは恥ずかしかったけど、言えてよかった。
「……それはヤベェだろ」
だけど私の言葉を聞いた尚哉くんは
私からパッと顔を逸らすと、
ボソッと何かを呟いた。
小さい声だったからなんて言ったのか聞こえなかった。

