でもそんなのにはお構いなしに私に手を差し出してくる尚哉くん。
どうすればいいのかわからず、オロオロする私。
だって、こんな状況で渡せるわけない!
「ちょっと尚哉〜、やめなって。
岩本さん、クッキー失敗してたから」
そうやって明らかに馬鹿にしたように言ってきたのは隣のクラスの梶本さんだ。
喋ったことないけど、今の口調からして彼女は尚哉くんのことが好きなんだろう。
私のことも嫌いなんだろうな……。
っていうか、梶本さん尚哉くんのこと呼び捨てで呼んでたよね……?
「沙耶うるさい。
俺は莉優と話してんだからお前はどっか行ってろ」
え、ちょっと待って……。
尚哉くんも梶本さんのこと名前で呼び捨てで呼んでるの……?

