彼女たちに連れてこられたのは空き教室だった。
このあたりは人気もなくて、静か。
だからか、少し怖い気がする。
「アンタさ、尚哉くんと付き合ってるってほんと?」
入った瞬間、私の方を睨みながら聞いてくる。
この子たち、もしかして三浦くんのことが好きなのかな……。
それなら、私と三浦くんが付き合ってるって聞いていい気はしないのは当然だ。
「ほ、ほんとうです……」
嘘をついて“付き合ってない”って言おうか……
とも思ったけど、やっぱり嘘は付きたくない。
「なんでアンタみたいなのが尚哉くんと付き合ってるわけ?釣り合ってないから別れなよ」
何でって言われても困る。
それに今日初めて話したこの子たちに
“別れろ”って言われて納得するわけない。

