「葵 付いて来て」



紫月と幸太郎と呼ばれた教師は先に前を行く。



葵が小さなため息を吐く。



学校とは思えない豪華なつくり。



通っていたイギリスの学校とは比べ物にならない。



これが結城財閥の力?



一階の一番奥にある理事長室へ通される。



広い部屋の窓際を背にしてマホガニーの大きな机と皮のすわり心地のよさそうな大きな椅子、中央には黒い皮のソファーセットが置いてある。



促されてソファーに座ると扉が叩く音が聞こえた。