トントン



物思いにふけっているとドアがノックされた。



「はい」



紫月かと期待をして返事をしたが・・・。



黒のワンピースに白いエプロンをつけた若い女性が葵のスーツケースを持って入ってきた。



「あっ・・・そこに置いて下さい 後はわたしがやりますから」



身の回りを人にやってもらうことに慣れていない。



「それは困ります、宇津木様にお叱りを受けてしまいます」



お叱りを受けるって・・・



スーツケースの持ち主のあたしが良いって言っているのに・・・。