「宇津木、葵だ。部屋に案内してくれないか」



紫月の手が離れ心細さが葵を襲う。



「かしこまりました 葵様 こちらへ」



紫月がその場からいなくなってしまった。



螺旋階段を上り、廊下を歩く。



葵はただ茫然と歩くだけだった。



豪華すぎて声も出ない。



宇津木の足が止まり、部屋が開けられる。



「うわっ・・・・・」



中は広く、天蓋つきのベッドまである。まるでお姫様の部屋のようだ。



すべての家具や装飾品が白で統一されていた。