「紫月・・・・」


目の前に紫月がいることが葵は信じられない。


あまりにも会いたい気持ちが幻を見せているのかも。


今自分は夢を見ているのかも知れない。


葵は紫月に腕を伸ばした。


葵の指先が紫月の腕に触れる。


「葵、心配をかけたね 申し訳なかった」


「本当に紫月なんだね?本当に本当の紫月・・・」


葵の目から涙があふれ出た。


「すまない 辛い思いをさせてすまなかった・・・」


紫月が葵を抱きしめようと腕を伸ばした時、



ガシッ!


紫月の頬に痛みの衝撃が走った。


紫月は頬を殴られて床に膝をついた。


殴ったのは肩から荒い息を吐いている榊だった。