突然葵はベッドから降りるとわき目も振らず机に向かった。


引き出しを次から次へと開けていく。


カッターナイフをどこへしまったか思い出せない。




あった!


2番目の引き出しにカッターナイフを見つけた。


震える手で安全装置を外して刃を出す。



ザクッ


葵はカッターを左手首にあてて勢い良く引いた。


痛みなど分からない。


これで紫月の元へ行けると思えば幸せにさえ感じた。