泣き疲れた葵は再び眠ってしまった。


「また寝ちゃいましたね・・・」


恭臣が目蓋を赤く腫らした葵の寝顔を見て言った。


「眠った方がいいんだ 何も考えないで済む」


榊は葵の袖をめくり細い腕を出すと注射を打った。



* * * * * *



葵は翌日の昼過ぎに目を覚ました。


目を開けてもぼんやりして目はうつろだった。


「葵様?」


傍に貴子がいた。


ベッドの脇に立った貴子はそんな葵を見て胸が痛んだ。