今、葵の傍にいるのは榊医師と恭臣。


天蓋付きのベッドで眠る葵を2人は見守っていた。


目が覚めるのはもっと後の方がいい。


と、榊医師と恭臣は思っていた。


目が覚めれば紫月が亡くなった現実を突きつけられるのだ。


「本当に理事長は亡くなってしまったのですか?」


恭臣がブラジルの航空会社に電話をして話を聞いた榊医師を見る。


「まだ飛行機も見つかってはいないが絶望的らしい・・・」


最悪な事態だ。