サンパウロの空港に向かっていた紫月の乗った小型飛行機が密林へ落ちてしまった。


屋敷への第一報は宇津木が受けた。


知らせを受けた宇津木は心臓が止まるかと思われるほど愕然となった。


受話器を持ったまま茫然と立ちすくんでいる祖父に恭臣が近づいた。


「どうしたんですか?」


紙のように白い顔の祖父を見て恭臣は身体を支えた。


「やす・・おみ・・・ううっ・・・・・」


突然泣き出してしまった祖父に恭臣は驚いた。


「おじい様?悪い知らせですか?」


「大変な事が・・・紫月様の乗った飛行機が密林に落ちた・・・・」


宇津木は立っていられなくて孫に支えられた。