「葵・・・・話が・・・」



紫月が口を開いた時、携帯電話が鳴った。



着信を見て毒づく。



「早く出た方が良いよ?」



「あ?あぁ・・・近いうちに連絡する」



もう一度額にキスを受け、葵は車を降りた。



「バイバイ・・・」



紫月を見つめる目は不安で渦巻いていた。



「ああ」



ドアが閉まり、車は静かに行ってしまった。