「紫月様がお探しでしたよ?」


キッチンへ来た理由を思い出して宇津木が言った。


「リビングでお待ちしていますよ」


「はーい 行ってきます」


葵は飛び跳ねるようにしてリビングへ向かった。






「紫月?どうした・・・・」


部屋に入るなり着物が目に入った。


「これどうしたのっ?」


美しい振袖に駆け寄るとソファーに座ってくつろいでいる紫月に聞く。


「日本人なら正月には着物だろ?」


葵の面食らった様子に笑っている。