「葵が傍にいてくれて幸せだなって思ったんだ」


「ほんとに?ほんとのほんと?」


「毎日思っているよ」


紫月は葵の腰を引き寄せ口付けをした。


「あたしも幸せだよ」



* * * * *


キッチンへ行くと料理長がおせち料理を作っていた。


イギリスで育った葵はおせち料理が珍しい。


しばらく重箱にきれいに詰められていくのを興味深く見ていた。






「葵様 ここにいらっしゃったんですか」


背後で宇津木の声がした。


「宇津木さん おせち料理を見ていたの」


うれしそうな葵に宇津木も目を細めて頷いた。