「紫月様」


宇津木が歩み寄り紫月にワイヤレスのマイクを渡した。


マイクを持つ紫月をポカンとした表情で見る。


「皆様、本日は私たちの為にお越しいただきありがとうございます。クリスマスパーティーを兼ねた婚約披露ではありますが、婚約者を紹介させてください」


そう言うと言葉を切って葵に視線を移す。


ドキッ


紫月の紫暗色の瞳と目が合うと胸が音をたてた。


「彼女がフィアンセの吉井 葵です まだ17歳 高校2年生ではありますが来年早々には籍を入れたいと思っています」


堂々と紹介する紫月に葵は胸が暖かくなった。


紫月とならばこれから先ずっと幸せだ。