「あなた方に僕の結婚にとやかく言う資格はない それではごゆっくりなさってください」


紫月は葵の腰に手を置いて歩き始めた。


「紫月・・・・」


「葵、気を悪くしてごめんな ああいう親戚は結城家に少なくはない」


(俺の財産だけを欲しがっている親戚だ)


紫月の両親が亡くなった時も大騒ぎだった。


紫月は信頼の置ける宇津木を後見人にして親戚を拒んだ。


「うん・・・」


初めて知った紫月の親戚の存在。


「あたし、気にしていないよ?あたしには紫月だけがいればいいんだから」