「紫月」


紫月が葵を招待客に紹介していると割り込む声が聞こえた。


紫月はその声の主に目をやる。


「叔父上」

その隣には叔母もいた。


葵は2人の冷たい視線に紫月の後ろに隠れたくなった。


話をしていた招待客は一礼して去って行ってしまい叔父夫婦と4人になってしまった。


「婚約とは・・・驚いたぞ?」


葵の顔をチラッと見て紫月に言う。


「ええ 紹介が遅れました 吉井 葵です」


紫月は表情を和らげることなく叔父夫婦に葵を紹介した。