「顔色が良さそうだけど眠そうだね?紫月から聞いたよ 悪夢は見なかったって?」


榊が葵の目の前にしゃがむ。


紫月は傍のソファーに座って書類を見始めていた。


「はい ぐっすり眠れたのがすごく不思議で・・・・」


(あれほど嫌な夢を見続けていたのに)


「愛の力のおかげかな?」


榊が茶化すように眉を片方上げて言うと葵の顔が真っ赤になった。




「当たり前だろ?」


そう言ったのは書類を読んでいたはずの紫月だ。


しれっと言う物言いに榊が呆れた顔になったがすぐに笑った。