結局は紫月のだだっ広いバスタブにたっぷりお湯が張られて葵はその中で温まっていた。


紫月が隣でくつろいでいる。


(みんなに・・・知られちゃった・・・)


貴子と他のメイドがお風呂の仕度をした。


いくら体調が悪いといっても2人で入る事を知られて恥ずかしい。


「どうした?大丈夫か?」


黙り込んでいる葵を覗き込む。


「大丈夫・・・だけど、一緒にお風呂に入っているって知られて恥ずかしいの」


そんな葵に紫月が何だそんな事かと笑う。


「ベッドで一緒に寝ているのだってこの屋敷のものなら知っているぞ?具合の悪い葵と一緒に風呂に入ってもいやらしい想像をする人間などいないさ むしろ・・・」



「むしろ・・・なに?」


「いや、やめておくよ」



ベッドで一緒に寝ている方が詮索の対象だろうとは言わなかった。