明け方になり、屋敷の中が活気付いてくるのがわかると葵は下に降りた。


冬なのでまだ外は暗い。


螺旋階段を降りる葵を目にして宇津木が驚く。



「おはようございます 葵様」


「おはようございます」

階段の一番下まで降りた葵は宇津木に挨拶をした。


いつものように元気がないのは紫月様がいないせいなのだろうか?と宇津木は考えたが、葵様の顔色は悪いように思えた。


「葵様、大丈夫ですか?お顔の色が優れないようですが?」


「・・・大丈夫です」


まだ手がしびれたような感覚はなくならない。


宇津木さんの声もなぜか大きく耳に響く感じがする。