「紫月のばかぁ・・・・」


葵が潤んだ瞳を向けた。


ベッドの上でシーツを身体に巻きつけた葵。


紫月に翻弄(ほんろう)されて身体がまだ熱くだるい。


葵とは反対に真っ白なYシャツにアルマーニのネクタイを結んでいく紫月はすっきりした顔。


「ごめんって・・・葵に抱きつかれて我慢できなかったんだ」


悪びれた風もなく笑顔を向ける紫月に葵は枕を思いっきり投げつけた。


持ち前の反射神経で葵の投げた枕は軽々と受け止められてしまったのだが。