「葵、どうして嫌なのか説明をしてくれないか?」


葵はスリッパを床の上に転がして身を守るように膝を抱えて座っていた。


「紫月、もう寝ようよ」


話を変えられて紫月は天を仰いだ。


仕方がない・・・。


眠そうな葵にこれ以上言っても話にならないのはわかる。


惚れた弱みだ。


紫月も葵には甘くなってしまう。


まるで年の離れた父親のような気持ち?


3歳しか違わないというのに。


「わかった 話は明日にしよう 葵は先に寝てて 風呂に入ってくる」


紫月は身体を傾けて葵の頬にキスを落とすとバスルームに行ってしまった。



その後姿を見て葵はちょっと子供っぽい返事をしてしまった事に後悔してしまった。


でも眠くて頭が回らないのも事実。


葵はガウンを脱ぐと紫月のベッドにもぐりこんだ。