紫月が首元に手をやりクイッとネクタイを緩める。


その姿に葵はドキッとしてしまう。


紫月の髪の色は銀色だし、瞳も紫暗色だから見方によるとビジュアル系の芸能人にもみえてしまう。


1着ウン十万する仕立ての良いスーツを着ているからすらっとして均整の取れた体つきが良くわかる。


どんな格好の紫月も好きだけど自分の前でリラックスしてくれている彼が一番好き。


だから自分の為にクリスマスパーティーと婚約パーティーを開いてくれようとしてくれているのは、今でさえ殺人的な忙しさに加えてもっと忙しくなってしまう。


葵はおもいっきりかぶりを振った。


「葵?」


なぜ首を横に振るのかわからない。


「葵、嫌なのか?」


ネクタイを机の上に放って葵の傍に近づく。