「葵が欲しい」



耳元で囁かれて足がぐにゃりと力が抜けそうになる。



この部屋に二人で泊まるっていう事がどういう事か葵だってわかっていた。



心の準備をしていたつもりだったけど怖い気持ちも拭えない。



「あたし・・・」



振り向かされて葵に唇は紫月の綺麗な指がなぞる。



「葵」



愛しそうに葵の名前を呟くと紫月は唇をそっと重ねた。