テーブルの上は湯飲みだけになった。



すべてが仲居さんによって綺麗に片付けられると待っていたように葵が足を崩した。



「はぁ~ もうお腹いっぱい これ以上入らない」



浴衣の帯が苦しいのかお腹を押さえて言う。



「帯、緩めようか?」



俺が緩めるのは脱がすって言う意味だけど。



「ほんと?」



素直に自分の言葉を受け取った葵を笑う。



「どうして笑うの?」



「いや・・・おいで」



葵が素直に紫月の手の届く所までやって来た。