「葵、ここにいたのか」



突然、紫月の声がして葵はびっくりした。



「紫月・・・どうして・・・?」



葵はサンルームで少しの間、時間を潰していた。



「リビングに行ったら部屋に忘れ物を取りに行ったっきり戻ってこないと恭臣が言っていた」



「貴子さんはいた?」



「いや、恭臣一人だ」



その途端に葵はがっかりした顔になった。



その顔を見て紫月が笑う。



葵の意図はちゃんとわかっているらしい。