学校へ行けないまま夏休みになってしまった。



熱も下がって体調も良くなった葵は退屈していた。



退屈と言っても宿題は大量に出ていて毎日のように来てくれる恭臣が頼みの綱だった。



特に古文や、現国がさっぱりわからない。



恭臣に教えてもらう代わりに英語は教えてあげられる。



今日も恭臣が来てくれてリビングルームのテーブルに宿題が占領していた。



「宿題も毎日やっているおかげでもう少しで終わりますね?」



恭臣が古文の教科書とにらめっこ状態の葵に言う。



まだ夏休みも半分も過ぎていない。



恭臣くんのおかげ。



「うん ありがとう 恭臣くんのおかげです」



教科書から顔を上げてニコッと笑う。