葵は夕方になって目を覚ました。



内線を鳴らさずにガウンを羽織っただけで宇津木を探しに部屋を出た。



「葵様!どうしたのですか!?」



エントランスに居た宇津木が葵の姿を見て慌てて飛んで来た。




「恭臣君に迷惑かけちゃったから・・・直接謝りたいけど、宇津木さん、伝えてくれますか?」



そう言う葵の顔色は悪かった。



ふらつくようで手すりに手をかけている。